Komoda Dental Clinic コモダ歯科医院

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COLUMNコラム

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新しい診療室にて

10月30日の診療を終え、ユニット(診療台)、レントゲン機が撤去され、今回の院内改装工事が始まりました。長年使い慣れた器械がトラックに積み込まれていくのを一抹の淋しさを感じつつ送り出しましたが、その翌日からは早速床を剥がし新しい診療台設置のための配管、電気の配線と多くの業者さんが動きはじめ、淋しい気持ちはどこへやら、どんなふうに変わっていくのか気になる一方で、ここで開院した20年以上前のことを思い出し、さぁ、初心にかえって頑張ろうと新たに気持ちが引き締まるのを覚えました。

医療機械・技術は年々進歩しており、それに関する情報収集、勉強そして投資など欠かせないものとなっています。しかし、一方で医療機器は大型化してきており、診療室のスペースの問題が生じてくることを今回、いくつかのメーカーのショウルームを廻って痛感しました。
メーカーは日本の大部分の歯科医院の診療スペースというものを解っているのか?などと愚痴めいたことを思ってしまったのも正直なところです。
そしてさらに、ショウルームのディスプレーはどこも小ざっぱりとおしゃれにまとまっていました。最近では実際のクリニックもなかなかおしゃれなところが多く、改装工事にあたってどこまでなおすかも悩むところでありました。

1週間の休診の間での工事と、かなりタイトなスケジュールでしたが、工事に係わってくれた業者さんたちのお蔭で予定通り11月7日から新しい診療室での診療開始にこぎつけることができました。
ユニット(診療台)は以前のものと少し形が変わり、患者さんの皆さんが着席しやすくなったと思います。ただ、初めのうちは診療テーブルや、モニターの動線が今までと少し違うので、患者さんにぶつかったりしないようかなり気を遣いました。
ライトもLEDで明るく、タービン・エンジン(歯を削る器械)も切削能力も高く、音も静か、さらにその先についている口腔内を照らすライトもLEDなので治療部位も見やすく、器械が変わると疲れるかと思っていましたが、すべてに快適に治療が進められます。
レントゲンは、今までフィルムを現像する時間がありましたが、デジタル化によって短縮されました。初めはアナログ人間の私は少々まごまごしてしまいましたが、便利なものにはすぐに慣れるものです。
なにより、ユニットについたモニターで患者さんにご自身の画像を拡大して見て頂けるということで、とても説明がしやすくなりました。今まで小指の爪くらいの大きさだった臼歯がこぶし大の大きさで見ることができます。
診療をする私にとっても、まずパントモ(全顎撮影)で診断した上、デンタル(部分撮影)の拡大した画像でさらに確認ができるので、非常に診断がしやすくなりました。そして、治療の結果も如実に画像上に現れます。そのことが今まで以上に細やかに神経をつかって治療をしようというモチベーションを与えてくれました。
また、口腔外バキュームは、診療室内に舞ってしまう歯や金属などの切削片や飛沫を吸引する装置ですが、これも開院当初から設置していましたが、新しいものに変えて音も静か、しかも吸引力アップということで、院内環境を整えるためには非常に役立つと満足しています。これらの切削片や飛沫は院内感染の原因のひとつともなるもので、治療においでになる患者さんのお体のためにも、診療に従事する私はじめスタッフの健康のためにも大切なものと考えています。私もこの年齢になると、丈夫で長持ちしなくてはなりませんので…!

そして最後に、院内リニューアルをしてもかわらないこと。これは自分の診療に関する心構えと思っています。
『医は仁術なり』この言葉を私はいつも心に銘じて診療にあたってきましたし、これからもそうあり続けたいと考えます。この言葉は、歯科医師であった私の父、医師であった義理の父の後ろ姿から学んできたもので、私にとってとても大切な言葉です。これからも、どうぞよろしくお願い致します。