Komoda Dental Clinic コモダ歯科医院

0466-33-3982神奈川県藤沢市鵠沼海岸3-3-1

COLUMNコラム

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この頃思うこと〜開業20周年をむかえて〜

コモダ歯科医院が鵠沼海岸の地に産声を上げたのは平成4年3月16日のことでした。
早いものでそれから20年がたとうとしています。
地域の皆さまに支えられ、ここまでやってこられたのだと心より感謝しております。

この20年の世の中の移り変わりのスピードはそれ以前に比べると倍速以上に速くなっているのではないかと思ってしまいます。
診療内容、医療機器の面でも、受付等事務処理に関することひとつとっても、開業当時はまだパソコンがないと仕事にならぬというところまでは進んではいませんでしたが、すでに保険請求も電子媒体化している昨今です。

近年はすべてのことに、選択肢が増えたのだと思います。個々で価値観が違えば自ずと選ぶものも違ってくるでしょう。しかし、選択するときには自己責任が伴うということを忘れてはなりません。
この時代、歯科医院のあり方も色々だと思います。
私自身も常に勉強し、柔軟な頭で新しいことと、これまで続けてきたことについて考えながら『私の診療』を続けていきたいと思っています。

  • 根管治療について
    歯の根の治療のことです。虫歯がひどくなってしまい神経を抜くことになったとき、また前に神経を抜いた根管にばい菌が入ってしまったときは根の治療を行います。最近は、神経を抜かないで薬を入れる治療法なども話題になっていますが、それが有効でない場合もあり、根の治療は飛躍的に新しくなったとはいえない分野だと思います。しかし、この治療は家を建てる時の基礎工事にあたる大事なところなので、これからも私はこだわって根管治療をしていきます。
    根の治療には時間(治療回数)がかかります。根気強く通院していただくことも必要ですので、患者さんにもがんばって頂きたいと思います。
  • インプラントについて
    自分の歯がなくなってもインプラントを入れれば入歯にする必要がなくなった! というわけではありません。そこを理解していただきたいと強く思います。
    インプラント植立は、手術と考えてください。ですから事前のCT検査、必要であれば内科的な血液検査なども受けていただき、その方のお口の中の状態(顎骨・歯周病など)とあわせて、インプラントを打ち込むことが最適かどうかをよく検討してみる必要があると思います。インプラントが不適と考えられるケースは義歯(入歯)やブリッジによって欠損部を補う最善の方法を患者さんと一緒に考えていくことが大事です。
    また、インプラントを入れた方には定期的なチェックが必須となります。打ち込んだインプラント自体だけでなく、歯肉、噛み合わせなどの状態をよく保つことが必要だからです。
  • アレルギーについて
    花粉症等、季節性のアレルギー症状を持ってらっしゃる方は本当に多いです。
    ご自分のアレルギー症状がひどく出て、歯科治療が不能になるような期間がある方は治療開始前にご相談いただきたいのです。歯の治療にもスケジュールがあります。被せるものの型をとって、さぁ被せましょうという段になって花粉症がひどくなり治療が中断し、2~3か月たってその冠を被せようとしても合わなくなってしまう場合があるからです。(義歯なども同様です)患者さんの体調を把握し、相談しながらうまくスケジューリングしましょう。
    もうひとつ、最近多いと感じるのは金属アレルギーです。
    お口の中に、扁平苔癬(へんぺいたいせん)という治りにくい口内炎のようなものができてわかる場合もありますが、体の他の部分(顔や手、全身の場合も)に痒みがでて原因が解らず、たまたまむし歯の治療にみえて皮膚科での金属アレルギーテストをお勧めしたところ、かなりの種類の金属にアレルギー反応がでたという方もあります。
    それがわかると、歯に被せた冠や、詰めた金属をはずし、アレルギー反応をおこさないものに置き換えていくというかなり大がかりな治療になってしまうこともあります。
    しかも、保険適用の金属がすべて使用不可能の場合、材料の選択肢がある自費治療になってしまうことも多いので非常に難しいのですが、このような患者さんが増えておられることを考えるとこれは今後の大きな課題だと思います。私も勉強しながら、なんとか少しでも良い方法を患者さんとともに考えていきたいと思っています。

いつも私が言うことですが、歯科医や、衛生士が患者さんのお口の中の治療やお手入れを終えたあとのご自宅でのブラッシングなどは、ご自分でなさる治療の一環ととらえてほしいのです。患者さんご自身の毎日のお口のお手入れを私たちが支えるのが理想です。そしてもうひとつ、どんな時代になっても言えることがあると思います。それは、ご自分で歯磨きが可能な限りは、自分の手にふつうの歯ブラシを持って歯を磨く方法をきちんと身に着けていただくことが一番大切だということです。基本をマスターすれば、応用はできるようになるのは何事においてもいえることでしょう。