歯周病の治療
歯周病とは、歯と歯ぐきの間に入り込んだ歯周病原菌と、全身や生活習慣の問題からおこる歯ぐきと歯を支える骨(歯槽骨)の病気です。
歯周病の初期段階「歯肉炎」は、子供を含むほとんどの年代の人に見られますが、放置しておくと「歯周炎」に進行します。「歯周炎」になると歯ぐきの状態が悪化し、歯を支える骨も破壊されるため、歯がぐらぐら動くようになり、最終的には抜けてしまいます。このように歯周病は慢性的な病気で、歯石を取り終わったから、とか歯ぐきの腫れが引いたから治療が完了ということではなく、進行を食い止めるためには歯科医師、衛生士が行う治療と患者さんご自身での毎日のセルフケアとの二人三脚で治療を進めていくことが大切です。
軽度の歯周炎
中程度の歯周炎
重度の歯周炎
- ① 歯肉を見ただけでは歯周病の進行度はわかりません。歯を支えている骨(歯槽骨:しそうこつ)等の状態をチェックします。
- ② プローブという器具をポケットに挿入し、深さだけでなく出血の有無、歯石などの付着物の位置を確認します。
- ③ 歯ぐきより上の部分に付いた歯石その他の汚れを機械的に落とし、ブラッシング指導も行います。
- ④ ③ を医院で終え、通院と自宅でのセルフケアを続け、再びポケットの深さを測り改善されているかチェックします。歯肉炎の場合はここから、毎日のセルフケアを続け、その後定期的なメインテナンスを続けます。
- ⑤ 歯ぐきより下についている歯石や汚れをとり、ブラッシングのチェックなどもおこないます。
- ⑥ 再びポケットの深さや、歯ぐきの状態が改善されているかを確認します。
- ⑦ 歯ぐきの下の病変がなかなか改善されない場合は歯周外科処置をおこないます。
- ⑧ 外科処置後の状態を再びチェックします。
- ⑨ 症状が落ち着き、改善がみられたら、自宅でのセルフケアを続け、定期的なメインテナンスを続けます。
医院での歯周病治療が終了してからの患者さんご自身によるプラークコントロールはとても大切です。
それがうまくいっていないと歯周病は再発してしまいます。定期的なチェックは必須になります。
歯科医師、衛生士によるプロフェッショナルケアとご自身のセルフケアで健康的なお口の中の環境を維持していきましょう。